ド直球火の玉ストレートの青春劇

 大会を目指して日々練習に打ち込む、とある陸上部員のお話。
 青春です。本当に青春という語以外には、どうとも言いようがないほど青春そのまんまの物語。もっとも、ひと口に青春といってもいろいろとありますけれど、本作の場合は主に部活動、自分の夢や理想に向かって突き進む、いわば「自己実現としての青春」のお話です。
 具体的な内容に関してはもう、タグにある文言ほぼそのままといって差し支えありません。部活動に大会、青空に向けて高く遠く跳ぶ「走り幅跳び」という競技に、そして憧れの先輩、と、何もかもがキラキラと眩しい青春の風景。あまりにも爽やかで、どこまでも甘酸っぱく、もう読んでいて思わず身悶えしそうになるくらいの青春感に、もう思う存分浸らせてくれます。なんというかこう、思春期のあの頃エミュレーターみたいな感じ。
 総じて、みずみずしく前向きで、基本的にポジティブな要素だけでできている物語なので、終始上向きな気持ちで楽しめるのも良いところ。キラキラした宝物のような季節がいっぱいに詰まった、ただただ真っ直ぐな青春の物語でした。