ホップ・ステップ・ジャンプ!

七瀬モカᕱ⑅ᕱ

一歩目

 十七歳の夏休みの朝六時、目覚ましの大きな音で目を覚ます。暑いけれど二度寝三度寝してしまうのはいつものことで、完全に目が覚めるのはだいたい朝の七時頃。


「うわっ、!もうこんな時間!」

 今日はいつもの時間に出発できないかもしれないと思っていたけれど、いつも乗る電車にギリギリのところで間に合って、とりあえず一安心。『今日も頑張ろう。』と一人で静かに気合いを入れる。


 今日こそは、絶対昨日より高く跳んでやる。


 ✱✱✱


「おはよ〜!」

 誰よりも早くグラウンドについて一人で練習をする。と言っても、一人でできることはストレッチとランニングくらいしかない。でもきっとその分だけ上達もするはず、と思って毎回練習の時は一番乗りでここに来られるように早起きするのも頑張っている。


「早いね、今日も一番?」


「先輩!おはようございます!」

 しばらくして、一緒に練習する同級生や先輩達が少しずつグラウンドに集まり始めた。

 そして今日も、練習が始まる。みんなストレッチをしたり軽くランニングしたり、ゆっくり準備をしている。私はみんなが来るまでにストレッチをしておいたけれど、もう一度ストレッチをしておく。

 ストレッチが終わったら、集合の声がかかるまでイメージトレーニングをする。

 しっかり助走をつけて、タイミングを合わせて、地面を踏んで跳ぶ。走り幅跳びのイメージ。


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