今年は

 集合の声がかかって、一気に人がグラウンドの真ん中に集まる。いつもぼーっと聞いてしまう顧問の先生の話も、今日だけは違った。

 今日は、秋の大会のメンバーが発表される日だったからだ。私は去年、秋の大会のメンバーではなかったけれど、実際に会場に行って試合を見た。実際に試合を見ているとやっぱり、メンバーに選ばれた人達が羨ましいと思った。だから私は部活に一番に集合したり、最後まで残って練習してきた。

 それもこれも全部、大会のメンバーに選ばれるため。



『それじゃあ順番に呼んでいくぞー。』

 先生が、順番にメンバーの名前を呼んでいく。私は、幅跳びの種目の六人のメンバーの中に入ることができるのか不安でいっぱいだった。



『四人目〜、日向未来。』


「はいっ....!」


 夢かと思った。私が、メンバーに選ばれた。

 その後も次々にメンバーの名前が呼ばれていった。でも私はその間も、自分の名前が呼ばれたことを信じられずにいた。


『メンバーは以上!メンバーと補欠になった生徒はそのまま待機、その他は練習へ。』

 先生の声がかかって、みんないっせいに散らばっていった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る