あとがき

 ……今作はいかがでしたでしょうか? まぁ、説教臭い話になってしまいましたが私の筆力ではこれが限界です。




 個人的には、野球部監督は「理想の大人」で保護者は「大人になりきれない年を取っただけの子供」という対比を出しました。


 監督は「子供が致命的な間違いを犯しそうになったらそれを正すこと」が出来る成熟した大人なんですよね。例え子供や親から憎まれたとしても、です。


 子供というのは未熟ゆえに間違いを犯すし、間違いを間違いと認識することもできないんです。根性試しで泥水をすすった、なんてことも平気でやります。


 それに監督は自分がかつて肩を壊すという間違いを犯したから、それと同じてつを踏ませたくないというのもあるでしょう。


 作中にもあるように何も甲子園やプロ野球が全てではなく大学野球や社会人野球、ベースボールチャレンジリーグに少年野球団の監督なんて道もあるし、


 スポーツ用品店のアドバイザーになるという道だってあります。例え甲子園に出れなくても、プロ野球球団に入れなくても野球に関われる人生はある。


 それを教えるのも大人の大切な役目だと思います。




 一方抗議に来た保護者一同は「大人になり切れない子供」なんです。「子供たちの自主性を尊重しろ」とは言うものの本当はそんなのどうでもよくて、


 実際には青春を燃やす少年たちを歪んだ自分の理想像にしてオ〇ニーをする「青春ポルノ」で抜いている「年を取っただけ」の醜い子供という構図になっています。


 子供って案外簡単に大人のいいように操ることができるんですよ。だから理想像を子供に押し付けて「こんな立派で素晴らしい子供の親であるオレは同じように素晴らしい」


 って思うんですよ。もしくは青春を生きる子供たちを歪んだ理想像にして消費するんですよ。これこそ「青春ポルノ」で、子供を青春で釣って消費するポルノですよポルノ。


「大衆食堂のTVに映るプロ野球監督の采配に文句を垂れる出世する見込みまるでなしの安月給サラリーマン」の方が子供をダシにしてないだけまだ立派ですよ。




 この「青春ポルノ」という言葉をひねり出したのはもうかれこれ10年以上前に「斎藤佑樹」投手が「ハンカチ王子」などと呼ばれて一躍高校野球界のスターになった時以来ですね。


「大人たちは誰か止めろよ!」と衝撃を受けたのは今でも忘れられません。あれ以降高校野球は「大人たちが子供たちを相手に抜く青春ポルノ」としか見ることが出来なくなりました。


 ひねくれものの意見でしかありませんが、大人は子供たち相手で抜くな。抜きたければ大人のプロ野球で抜け。と強く思っています。




 何処で聞いたかは忘れてしまいましたが「大人というのは責任を果たすか、果たそうと懸命に努力するものだ。責任を取らない大人なんて無駄に年齢だけを重ねただけのクソガキだ」


 という創作物の登場人物の発言も生きているでしょう。


 年を取ったら子供のために身体を張れ。つらいかもしれないがそれが大人という者のやる事だ。いつまでも子供のままでいたいのは分かるがそれをやらないのが大人のやる事だ。


 大人に、なれ。そんなメッセージを送りました。通じてるかどうかは分かりませんが。

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大人の責務 あがつま ゆい @agatuma-yui

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