腹に宿る知的生命体。それが胎児である。自他について感じたことを語る名もなき胎児は、好奇心旺盛で思慮深い。平坦な語り口に包まれる感情は非常に豊かで、その言動は機知に富む。外界に生まれ出づる時、すなわちダムの決壊の先にあった新世界に対しての心象描写が特にグッと来ました。これはそこに至るまでの腹の中での事がじっくり描かれていたからこそかと。緩急を感じさせる「胎児の時間」を描いた素晴らしい作品です。
母は強し、子は強か。サッと読める位のボリュームなのも良かったです。
胎児の目線で描かれていて、楽しかったです。赤ちゃんの誕生をたのしみにしている両親の心情が、リアルに伝わってきました。赤ちゃんも、おなかのなかで、いろいろ考えてるんですね。
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