ゆで卵


(二人漫才の会話です。 *:つっこみ担当さんです。)



「どーもー、ハリーアップでーす!」


*「お世話になってまーす、ハリーアップでーす。宜しくお願いしまーす!」


「実は2話目の始めは、ここで『今日はお手紙を紹介します。』とボケから入る所だったんですけど、、、」


*「そこを、『お手紙じゃないだろ!【応援レビュー】の紹介だろ!いつから深夜ラジオDJになったんだよ!』といきたかったんですけど。自分達のとある事情でせっかくの舞さんからの応援レビューが無くなってしまいました。舞さん、真にすみません、、」


「そこでね、幻になってしまった応援レビューを元に、話を創作してみます。前回の続きです。」


*「即興で面白い話を語る、語り人が官邸に呼ばれて、国のトップから、『俺の好きな、いつものあれ演って!』って頼まれる所ですよね。」


「そう。ですが、ここでトップから待ったが掛かるんですよ。『そうだな、今日は一人じゃなんか寂しいな、、、ねえ、秘書君、もっと人を呼んでよ。』とトップが言うわけです。」


*「それで?」


「そうするとね、秘書さんやら誰彼が部屋に入って一緒に聞くわけですよ。みんな、『あ、トップが笑った!』って思ったら、『ハハハハハ、、』って、お追従するんです。」


*「本当は各自、好き好きな所で笑って欲しいですけどね。」


「そこは、ほら、あれだから。トップの機嫌を損ねると大変ですから。」


*「まあね。お給料が掛かってますからね。」


「それを見ながら話してる語り人は思うんです。『なんだよ、演りずらいなー。人ばっかり多いし。これじゃ【サクラを見る会】だなー』、って!」


*「以下は、多少、続けてみました。」


「そうするとね、秘書さんたちが気付くんですよ。『こんなに人集めちゃっていいのかな?誰にも断ってないよね、、』って、こそこそ、こそこそ。」


*「秘書秘書話。」


「うまい。でね、一人の秘書さんが聞くんですよ。『トップ、この会の事、ばれたらどうします?』って。」


*「それで?」


「トップは言うんですよ。『そうだね、、、君たちの発案って事にして、私は何も知らなかった、って事にしてくれる?』って。」


*「お後が宜しいようで、、、じゃないでしょ。料理方法の話を始めましょうよ。」


「そうそう、そっちがテーマですからね。」


*「忘れないでくださいよ!」


「そうでした、そうでした。で、何を作るんですか?」


*「最初ですからね、簡単な『ゆで卵』にしようと思います。」


「あれね、寄席なんかで『つまんない話だなー』って思った時のを付けて食べるやつ。」


*「別に塩っぱい話のときに主催者が、『これは、まずい!配れ!』ってなって、『塩、いかがですかー』って、配りに回ってくる訳じゃないですけどね。」


「成る程。主催者から演者に『おまえの演目、受けてないぞ!』っていう合図なんですね。」


*「嫌味がこの上ない!」


「そんな合図送られても、演者だって動揺するだけで何にもできないですよね。『うそ、どうしよ?』って。」


*「そんな事無いですよ。皆さん、動揺しないでいつものペースで進めますよ。『はいはい、分かりました』って。」


「なんせ、場数が違いますからね。」


*「そうですよ、毎度毎度、動揺してたら心臓が持ちません。」


「で、ゆで卵はどうなりました?」


*「そうですね、まずは冷蔵庫から卵を取り出してください。3個ほど。サイズも一応、見てくださいね。」


「P,C,R?」


*「L,M,Sですよ!何で卵に感染病の検査をしないといけないんですか!」


「ワクチンを作ったりして?」


*「無理ですよ。それはプロにお任せして。我々はゆで卵作りです。」


「なーんだ!」


*「『なーんだ!』じゃ、ないですよ。ワクチンを台所で作れたら誰も苦労しないですよ。」


「はい、Mの卵、3個です。」


*「では、子鍋に卵が浸るくらいの水を入れて、沸かします。」


「じゃあ、卵を割って入れますよ!」


*「だめですよ!いろいろ間違ってますよ!まず、卵を入れるのは水が沸騰してから。それに卵は割りません。割って入れたら『ポーチドエッグ』っていう、別料理になっちゃいますよ!」


「プーチンエッグ?」


*「『ポーチドエッグ』です!プーチンエッグなんて、そんな物騒な卵料理、食べたくないですよ!」


「そうですか?もしかしたら、食べたら異世界に行けるかもしれないですよ?」


*「行きたくなくないですよ!その手は話だけにしといてください。」


「じゃあ、お湯が沸いたんで、卵入いれまーす。」


*「一旦、火を止めて。火傷しないように、そーっと、殻を割らないように入れるんですよ。お玉で入れてもいいです。」


「割れるとどうなるんですか?」


*「そこから白身が出てきて、きれいなゆで卵が出来ないんですよ。」


「ふーん。」


*「ここから弱火で7分くらい茹でれば半熟、ハーフボイルドです。12-15分弱茹でれば、固ゆで、ハードボイルドです。」


「『ハードボイルド』って、探偵小説ですか!」


*「あっちが語源じゃなくて、こっちが語源だそうですよ。」


「じゃあ、『ハードボイルド探偵小説』って、翻訳すると『固ゆで卵探偵小説』になるんですか!」


*「まあ、そうですね。」


「何それ?」


*「まあ、元々欧米が言ってたんでしょうから、しょうがないですね。」


「欧米か!」


*「頂かないで下さい!」


「すみません、、」


*「じゃあね、7分経ったんでお湯を流して、すぐ水で冷やします。」


「流しがぱこんぱこん、言ってますよ。」


*「直接、お湯を捨てるとそうなるんです。」


「流し、壊れませんか?」


*「大丈夫ですよ。心配だったら、次は水を流しながらお湯を捨てて下さい。」


「はい。お湯を捨てたら卵を冷やすんですね。」


*「はい、5分くらい、流水で冷やしたら完成です!」


「いやいや、結構大変ですね。じゃあ、5分経ったんで、卵をあなたの額にぶつけてっと!」


*「自分の額で割ってくださいよ!」


「ありがとうございましたー。」


*「ありがとうございましたー。」



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【漫才】料理方法の話 ハリー @hurryup1

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