怖いけれど、愛おしい物語です
- ★★★ Excellent!!!
私はホラーとかこっくりさんが苦手なので、読み始めると怖かったです。
でも、登場人物が愛の原理で動いているので、最後まで読めました。
バトルシーンも定評のある作者の作品なので、迫力がありました。
キャラクター設定も、ひねりが効いています。
ラストも悲惨な内容で終わるのかと思ったら、どんでん返しで、希望の持てる好印象なラストでした。
なんと言ってもこの作品をおすすめするのは、女子高校生がホラーでアクションするということと、百合要素があって女の花園のような、甘美な世界観が繰り広げられるところです。
そして、世界を覆う闇の呪力が愛するものを引き裂きます。
その流れに抗ってあがく主人公の恵が、愛おしくも切ない運命を辿るのです。
愛憎のもつれからくる、父親世代の確執が、アフリカの呪術によって、娘たちに苦しい運命をもたらします。
呪いによってどれだけ世界が壊れてしまっても、希望を失わずに生きようとする主人公によって、祟り神もほだされたように、生きる望みを与えます。
愛することと、力強く生きることを感じさせてくれる作品です。
おすすめです!