ちょっとなに言ってるかわからないかも知れませんが、この作品はオバケアザラシにストーキングされるお話です。
タグにも『アザラシ』『オバケ』『ストーカー』とありますから、嘘を吐いているわけじゃあないんですよ。
「え、ちょっとめっちゃ気になる!」って方はもうレビューの続きはいいんですぐさま作品を読みに行ってください。
「えぇ……出オチっぽい……」って方はもうちょっとレビューにお付き合いください。
断言しますが、これは出オチではありません。
いや、一話目でめっちゃ笑いますが、でもそれは掴みです。出オチではないです。
二話目からミステリー度が増し、「嫌な予感」が心の内側でざわめきます。
心の内側がざわざわしているのに、アザラシはびったんびったんしています。気が気ではありません。ダブルミーニングで。
そして感動の最終話。
感動の裏でサラッとコメディが流れていく塩梅が天才的だなって思いました。
最初に断っておきますが、この作品は、タイトルこそホラーですが、心暖まるヒューマンドラマです。
主人公は彼女と喧嘩をしてしまい、モヤモヤした気持ちのまま床につきます。
そして夜中、異様な気配に目を覚ましてみると、そこにいたのは一頭のアザラシ(リアルな方)!!
「いやいやいやいや……意味わかんないんですけどwww」
ごもっともです。
「夜中の部屋にアザラシ(リアルな方)とか、それだけでホラーやん」
わかります。
主人公ならずとも、私も最初はそう思いました。
でも最後まで読めばわかります。
もう一度言いますが、この作品は心暖まる(しかもどこか笑える)ヒューマンドラマです!
……本当ですよ?
バォオッ! バォオッ!(ペチペチ)
アオッアオ゛ッ(ダパーン!)
ボゴボゴボゴボゴ……
ペチペチペチペチペチペチペチペチペチペチ
申し訳ありません。
海の中で暮らしていた頃の記憶がよみがえりました。
勢いがある作品で思わず腹筋を奪われてしまい、思わず言語中枢までアザラシ時代を思い出してしまったようです。
ここだけの話、カナダの伝承ではアザラシは好奇心の象徴とされており、アイスランドではしばしば人間に化けたアザラシが社会に紛れ込んでいたそうです。節トキ先生もそういったエピソードからこの話を思い付いたのかもしれません。人間社会に紛れるアザラシは多いですからね。今回のアザラシは幻と消えてしまいますが、本当のアザラシはあなたのとなりで今もオウッオウッオウッオウッ!
明日からは注意してみてくださいね?
本編は笑って泣けるハートフルストーリーでとても面白かったです……!