第3話 入籍できない...?

「え?これ明日入籍届け出せなくない?」


いつも通りのんびり過ごしていた私たちカップル。


入籍届を書いて承認欄にも両方のお父さん達に昨日書いてもらったばかりだ。


「何言ってるの〜。笑」


冗談で言っているのかと思い私は笑いながら返しまた。


黙りながら数ヶ月前に買った結婚雑誌と睨めっこをしている彼。


あ、これは本気のやつだ。。


私も結婚雑誌をのぞくと婚姻届を出すにあたり必要な書類が記載されている。


1.婚姻届

クリアしている


2.写真付き本人確認書類

ここもクリアしている


3.戸籍謄本

ここは...戸籍謄本とは何ぞや??

私たちは2人とも本籍でいない所に住んでいる。

そのため戸籍謄本が必要になるみたいだ。


「へー。そうなんだー。」


初めて知った私に対して彼は、


「今日は休日で役所やってないよね。明日出せないのかな。」


彼はのんびりと穏やかにそう一言。


「ん?!え?!明日出せないの?!そうしたら入籍日変わるの?!嫌!!それは嫌!!」


私は急に焦り始めた。


入籍日は2人で何度も何度も考え直し、ようやくこの日!という日に決めてようやくそれが明日になるのだ。


それなのに婚約出来ないだと...?!


そうするとまた来年まで待つということになる?!


無理!それは無理!!


だって私今年中に結婚したい!


「ちょっと、や、役所に電話してみてよ...!」


婚姻届けを提出する箇所は24時間受け付けているため彼に頼んで電話をしてもらった。


「あの、入籍届を出したいのですが戸籍謄本が間に合わず...


そうですよね...


はい、わかりました〜。ありがとうございます。失礼します。」



ああ。この感じは...


「戸籍謄本ないとダメだって。」


「えー!!!そんな...泣」


泣きそうな私に彼は


「次の日にする...?」


えっと...入籍日は次の日にするということは、結婚記念日もそうなる??


そうなるんだよね...


そんな妥協で良いのか...?


私の頭は停止してきた。


「それは嫌だ...だって2人で考えて出した入籍日だよね...?妥協したくない...」


彼は困った顔を一瞬してスマホを取り出した。私も婚姻届を明日提出する方法を調べた。



だめだ、どこにも載ってない。

なんで、なんでもっと前から準備しなかったんだろう。

婚姻届書くだけで良いなんて安易な考えを持ってた私のバカー!!!


「彼君のバカー!!!もっと前から調べてよ!!」


私は気持ちを彼にぶつけてしまった。


そのまま寝室へ走って逃げた。



私たちはこのまま...結婚出来ないのだろうか。


ベッドの上で涙があふれてきた。



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