スポーツが瓦解するなら理論と実践のどちらから?
naka-motoo
がんばれ!がんばれ!がんばれ!自分のがんばりたいこと以外で!
「がんばれ!」
拡声されるヘッドの
「がんばれ!あと2kmだ!」
精神論かスポーツ理論か、どっちでもいいよ。
ラジオの走る学生たちの中継を聴きながらわたしはドラッグストアの駐車場で500円のサービス券で引き換えたパンとボトルコーヒーを咀嚼しドリンクする。
駐車場から右手を見れば、深甚な難病を受け持つことのできる数少ない女医が開業したクリニックの建物があり、左手を見ればデイサービスを中心に介護サービスの提供を行っている地域密着型介護施設の敷地がある。
右手ではクリニックの先輩看護師が後輩看護師に檄を飛ばし始めた。
「がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!あなたが全くの赤の他人の患者さんに暖かく懇切丁寧に接していることは、必ずや評価される!わたしがあなたを埋もれさすことを許さない!テレビで自己努力している若者たちの姿など誰でもどこででも見られる!あなたのがんばりはたとえ今見ているのがわたしだけだったとしても必ずやあなたを世界に知らしめる!そして金銭面でも社会的地位でもかならずやあなたが報われるようにして見せる!もし報われないなどということがあったならばわたしは赤の他人の患者さんに自己の健康の危険を冒してまで看護することをボイコットする!」
左手では介護施設と契約している理学療法士が若い介護士に檄を飛ばしている。
「がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!キミが赤の他人の
その光景を見てわたしは励まされた。
エンタメ化したスポーツなどからよりも遥かに。
「がんばれ!がんばれ!がんばれ!わたし!たとえ運営さんがわたしの小説に全く目をちらりとも落とすことがなかったとしてもPVが0であろうが★が消されようがマイナスになろうがわたしはわたしの小説をこうして書いているぞ!そうして小説を書くことは多作のWEB作家に普通にできたとしてもわたしは更に中二病のように200近い小説をほんとうにホンキで真正面から実際に投稿して晒しているぞ!わたしはわたしが埋もれようとも右手に見える病院と左手に見える介護施設の真の『アスリート』たちに檄を飛ばされながら勤労の義務と要介護者への扶養義務とを履行してきているぞ!わたしがほんとうにホンキでやりたい小説を書くための時間の大半を放棄してでも義務の履行を放棄していないぞ!その状態のままで200近い小説を投稿してきたぞ!」
わたしは車のドアを開けた。
ドラッグストアの駐車場の隅に重機で数メートルにうず高く積み上げられた雪の山が融雪装置の流水で溶かし流されてズブズブになっているそのシャーベットの上にブーツでグシャア!と降り立った!
そして、天を仰いで叫んだ。
「やるぞ!やるぞ!やってやるぞー!」
クリニックと介護施設の怒涛の戦士たちが呼応した。
「おう!」
スポーツが瓦解するなら理論と実践のどちらから? naka-motoo @naka-motoo
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