物語を作ろう!

渋谷かな

第1話 朝

「希と望、二人合わせて・・・・・・希望だ!」

「ある意味、希望の物語ですね。双子にしますか? 親の再婚ですか?」

ある程度、形ができてきた。

「夢と希望の物語・・・・・・名字は夢徒・・・・・・夢人希、夢人望。できちゃ。」

「おお~! さすが先生! 適当でもたどり着く創作力!」

「伊達に小説は書いてないぜ!」

 丸く収まる。


「希と望は孤児で、日本国家の秘密機関ハベルシノビに引き取られ、侍忍者として育てられた。ハベルシノビ。」

「もう少しで何かが生まれそうな予感ですね。」

 いかんせん年末年始は作業時間が少ない。

「やったー! 秘密機関の名前もできた。」

「ハベルシノビ機関。」

 神様の落とし物を拾ったようである。


「伊賀竜、甲賀流・・・・・・ウワアアアアア!? 漢字変換のミスで新しい竜を見つけてしまった。東京竜。新宿流、北海道竜。東京流忍術! 他人無視!」

「東京は一日で全く会話しない危ない人ばっかりですからね。田舎の人からすると危ない人ばかり。」

 事実。

「渋谷流忍法! ハチ公の石造!」

 まあ、こんな所であろう。


「希望でヒーロー、ヒロインができた。そろそろ敵でも考えよう。」

「妖怪? 巨人? 鬼? モンスター? なんざんしょ?」

「人の心が腐ったら人間が保てなくて、化け物になるとしておこう。」

「人間を諦めた瞬間から姿は人間でも人は悪魔に変わる。」

 町を歩いている人々はモンスター95%くらいだろう。

「それを切り刻む希望! それが侍忍者だ!」

 で、二人の刀は?

「夢と希望の刀・・・・・・夢幻刀? 無限刀?」

「希刀? 望刀? 希望刀?」

 二人で一人? 二刀流?

「違うな二人で一人の敵に挑む。新しい二刀流だ!」

「なんか卑怯・・・・・・。」

「卑怯ではない! 二人で一つなのだ!」

 新しい伝説。まさに阿吽の呼吸。二人で一人。


「敵のボスは何かな?」

「魔王ですか? それとも海賊王? 冷蔵庫? 妖怪王? 冥王? 海王?」

 なんだろう?

「無い、無・・・・・・口無し?」

「夢と希望が無い。・・・・・・忘れる。無くす。無患子(ムクロジ)。」

「人で無し。」

 人では無くなった者。無者? 無王? 武士? 無士?

「何かが違うな? この世で一番怖いモノ、一番醜いモノ、それは人間・・・・・・からのジンカン。人間と書いてジンカンと呼ぼう。ジンカンがラスボスだ。」

 できた!

「産みの苦しみですね。」

「便秘の詰まっているうんぴーが出たような感じだ。アハッ!」

 つづく。

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