orangeness section

「今の学生は、学ぶことも出来ないのか。」

「親なのに私の気持ちも、成長も理解してくれないんだね。」

「伸びぬ芽は見えないんだよ。」

「遅咲きの花は綺麗なの。」

「成果を出しなさい。その部活というのでも、勉学でも、何でも。」

「勉強なんて必要ない。私には行きたい道があるの。」

「学歴の無いままで将来があると思うな、我が娘よ。」


 重くて厚い木製の扉は、今までで一番軽かった。部屋に戻り、明かりの無いベッドで独り泣いた。目に滴が溢れて、それが落ちて舌が受け取ると、海の味がした。

 父に交渉した後はきまって、外に逃がせない熱い体温をこうして独り抱えていた。そして一人で、私が否定に遭う理由を考えていた。しかしその結論は出そうにない。


――Aコード

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オーシャン・コード リペア(純文学) @experiences_tie

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