どうもリペアです。死んで生き返りました。
3000字くらいの短編を今日か明日か明後日かそれ以降に投稿します。
『オーダー・メイド』
▼冒頭
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眩しい朝日を避けるように、とある喫茶店の戸を開ける。一歩踏み入れるとたちまちコーヒーの挽いた香りが迫ってくる。こうして今日も朝を感じられる。
「お待ちしておりました。」
「今日もいつものでお願いします。」
「承りました。」
彼女は普段は無口で、注文を受けてくれる時も声がひ弱だった。決して高くはない身長に大きなメイドの制服を着ていた。
私は毎度店の奥にあるテーブル席に座る。そのほうがよく見れるからだ。
「エスプレッソ、ノンシュガーです。」
湯気立つカップと小さなスプーンが乗ったソーサーが、彼女によってそっと置かれる。そのときにスプーンとカップが当たる金属音はしない。しかしそれほどに置くのがノロノロと遅い訳ではなく、手際が良い。彼女はこの店で働いて長そうな口調と手つきだった。
「ごゆっくり。」
私はエスプレッソを啜って、そんな華奢な彼女の姿を毎日見に来るのだった。
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