エピローグ

次の日。私は司書さんにこの本を貰っていいか話した。持ち主が見つかっていなくて1週間経ってるからいいよ。と言ってくれた。

そうだ。こんなに長かった本の物語は

たった1週間の短い出来事だったんだ。と私は実感した。

いつもみたいに1人で図書室にいる私はもう居ない。私の大切な友達、茉莉と澪、朝翔。本だけではない私の一つ一つの音色。

私のたった世界でひとつしかない。

大切な物語を作っていく。

曲の様に。本の様に。

時間の流れは私の心の中に刻まれていく文字。

そんな私の物語。音楽室から聞こえる朝翔のピアノを聴きながらそう思った。

本の世界は無限大だと。




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1冊の本を手にしたら 星崎藍苺 @AO0607

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