物語を作ろう! アハッ!

渋谷かな

第1話 剣?

「やはり物語は異世界ファンタジーだ! 剣と魔法で人間を皆殺しだ! ワッハッハー!」

 マッドサイエンティストの作家さん。

「こういう人が売れっ子になるから世の中は、出版社もファンの信者も選ぶ人間たちが分からん。」

 彷徨う編集くん。

「皆、心を病んでいるんだよ。楽しいことは何も無い。愛されたこともない。童貞と処女ばかりだ。一生一人で死んでいく人間ばかりが死にながら生きてるんだよ。」

「僕たち年寄で良かったですね。」

「本当に。最近、アホな女子高生が大学生と付き合っていると自慢げに喜んでた。遊んで捨てられるだけなのにね。最悪、風俗に売られて死ぬだけだろう。」

「その中を知らないって罪ですね。」

「法律用語でこんな言葉があった気がする。無知は罪。」

「さすが作家さんだ。」

 作家さんは知らない人間に知識を見せびらかす。


「さあ、暗い話はやめて、夢と希望の皆殺しだ! 人類を皆殺しにして、地球から害になる人間を追い出すぞ! 好きな四文字熟語は、人類死滅!」

「やめい! 作家さん!」

 暴走する作家を止めるのも編集くんの役目である。

「きれいな地球を取り戻すんだ!」

「腐った文章を書いても、前向きな物語に戻す。さすが作家さんだ。」

「これでも、売れっ子作家なので。」

 恐るべしミステリアス作家。


「剣か・・・・・・。今時の物語は完成形から入るるろうに剣心タイプ。一から始める鬼滅の刃タイプ。結局、有名になった作品が例えに使われる現実。作者はウハウハだろうな。」

「先生は金の亡者ですからね。」

「人間って、お金の話は好きなのよね。」

 作家さんは良く人間を知っている。

「剣1から始めるか? その場合、剣10くらいの先輩、隊長がいるのが基本のパターン。」

「でも不思議ですよね?」

「何が?」

「北斗の拳、ワンピース、ドラゴンボールとか、ヒットする作品は全部、戦闘モノなんですよね。なんででしょう?」

「フッフッフッ。そんなことか。かんたんだよ。人間は殺し合いが好きなのだよ。皆殺しだ! ワッハッハー!」

「先生。皆殺しだー! で流行語大賞でも狙うつもりですか?」

「え? は、はい。アハッ!」

 図星なのでテレを隠す作家さん。

「あと、人間って、腐ってる。も狙っています。アハッ!」

「ダメだ、こりゃ。」

 変な方向で貪欲な作家さん。

 つづく。

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