拝啓いつかの君へ

久冨木

第1話 あの日の僕ら

千紘、菜奈、穂乃果、そしてメイは6歳の3月の暖かい日に神社の前で手を合わし、そしてみんなで神様に向かって祈った。

「僕達は高校生になっても大人になってもずっと仲良しこよしでいられますように。」と。

4人は幼なじみで、赤ちゃんの頃から親同士で集まる度に子供同士で、遊んでいた。その中でも1人だけ男の子の千紘はメイに好意を寄せていた。

しかし千紘は恥ずかしがり屋で、メイに好きだということはできずにいた。それでも当時の千紘はいつか伝えれたらいいという気持ちで焦りは無かった。


しかし千紘にとって人生初めての後悔は、ある日突然起こる。千紘が好意を寄せていた幼なじみのメイが、小学校入学を前に突然この世を去った。

当時、千紘を含め3人はまだ6歳でこの事実を理解するのには、かなりの時間を要した。そして3人がやっと理解した時、3人は涙が出なくなるまで泣き続け、涙が止まったと同時に、神様という存在を6歳にして信じることをやめた。



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