第4話 神様が起こした奇跡

3人はメイの墓の前に着いた。

千紘は自分で持ってきた、マッチでロウソクに火をつけ、一緒に持ってきた線香を2人に渡した。

3人は線香を立てて、手を合わした。


手を合わしながら千紘が

「9年前のあの日もこんな暖かい日だったよな。叶うのならまた会いたい。」とメイの墓に向かって、小さく語りかけた時だった。


ビューーん


一瞬だけとても強い風が来て、ロウソクの火も消えた。


と同時に、後ろからいつか聞いた懐かしい声がする。


「もしかして千紘?穂乃果?菜奈?」


3人はパッと後ろを振り返ると、そこには自分たちと同い年くらいのメイによく似た、女の子が立っていた。


「もしかしてメイ?なのか?」

千紘が聞くと、

その女の子は、

「うん!9年振りかな?」

と笑顔で答えた。


穂乃果と菜奈も目の前の女の子がメイだと分かると、

「メイ〜 会いたかったよ〜」

と口を揃え、気づけば涙が零れていた。


その時の3人には何故メイが突然現れたなど気にもならず、今までずっと会いたかったメイが目の前にいる嬉しさと興奮で頭がいっぱいだった。


この出来事は、あとから振り返ると神様が叶えてくれた奇跡だったのだろう。

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