4話 おはよう、サンタクロース
目が覚めたら、枕の横にキラキラの折り紙がたくさんあった。本当はひとつだけのはずなのに、折り紙をいれるカッコいい箱もプレゼントしてくれた。
「サンタさん、ありがとう!」
サンタさんに聞こえるように、ボクは大きな声で言った。
ボクはキラキラの折り紙と、昨日マサキ兄ちゃんと一緒に折った折り紙を抱えて、パパとママのところへ走った。
キラキラの折り紙を見せると、パパたちもよかったねって喜んでくれた。
「パパ、ママ、あのね」
ボクは背中に隠していた折り紙を出した。
パパには、茶色で出来たギターを。
ママには、赤色と緑色で出来たチューリップを。
それからボクは、嘘をついた。
「これはね、サンタさんからだよ。昨日、サンタさんが、パパとママに渡してねって、これをくれたんだよ」
本当はね、サンタさんには会えなかったよ。
本当はね、これはボクが作ったんだよ。
だけど内緒。二人には、サンタさんからのプレゼントをあげたいから。
パパたちはびっくりしてから、すごくすごく喜んでくれた。何度もボクの名前を呼んで、ありがとうって抱き締めてくれた。
「ボクじゃないよ。サンタさんからだよ」
「私たちにとって、あなたがサンタさんだから」
「ボクが?」
「ああ、そうさ」
ボクは嘘をついてなかったんだ!
ボクはサンタさんになれたんだ!
キラキラの折り紙と同じくらい、嬉しかった。
ボクもパパとママをぎゅって抱き締めた。
「いつか大人になったら、本物のサンタさんになるかもしれないな」
「まあ、パパったら」
「そうだろう? さて、そろそろ朝ご飯にしようか」
今日はクリスマス。
ご飯を食べたら、ユキちゃんのために折り紙を折ろう。
いつかサンタさんになる日 藤咲 沙久 @saku_fujisaki
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