第7話
最近、松山千春のスーパーベスト(CD )を聴いた。
あることで必要になり、一曲歌うことになった。
CD は、何年か前に聴いて、その後、仕舞ったままにしてあったものだ。
「大空と大地の中で」を練習をして、練習休みに通して聴いていた時だった。そのCD の中にある、「君のために作った歌」の詞に引き込まれた。
何気なく口ずさむ 唄だけど
せめて君には ほめてもらいたい
心をこめて 歌うから
もう一度 歌うから
こんなに君のこと
好きなのに 恥ずかしくて
口に出せない 僕さ
だから この唄 歌うんだ
君のため 作った唄
いつまでも君が そばにいて
いつまでも この愛が続く様に
心をこめて 歌うから
もう一度 歌うから
こんなに君のこと
好きなのに 恥ずかしくて
口に出せない 僕さ
だから この唄 歌うんだ
君のため 作った唄
君のため 作った唄
君のため 作った唄
"こんなに君のこと
好きなのに 恥ずかしくて
口に出せない 僕さ"
自然と繰り返し聴いていた。涙が、知れず流れた。
"好きだ"
たった一言、短い言葉なのに、面と向かって言えなかった。
でも、今になって、なぜこれほどまでに三十年以上も前のことが気になるのか。もう遥か昔のこと、南海ちゃんは、翔太のことなど忘れているだろうことは、容易に想像できそうではないか。そうでないなら、初恋とは、とても残酷なものに、翔太には思えた。
大会エントリーの地に、上越市を選ばなければよかったのだろうか。
いっそ、二十歳の夏に戻れたらどんなにいいか知れない。結局は、そこに行き着く。
いつまで、この想いを抱いていくのだろう…。
完
あの日に帰りたい 沼田くん @04920268
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