一章にあたる九話までを読みました。求職からの徴兵、戦争に翻弄されるシグルと、ロキやジャンヌ達との友情、自身の秘密─主人公と世界の運命を読む壮大な物語である事が伺えます。テンポの良さと、窮地を挟んだ緩急の付け方は、掃いて捨てる程あるご都合主義のファンタジーとは一線を画していると言えるでしょう。気に入ったキャラクターは、若いながらもしっかりとしたシャルル陛下です。
この物語の良い部分を数えたらキリがありません!とにかくテンポが良いです。帝国の情勢の説明も分かりやすい。しっかりハードな文体なのに、まるでアニメを見ているようです。シリアスなシーンがあっても、必ず何処かでクスリと笑わせてくれるので、読んでいて楽!「そうだよ、これが娯楽だよ」と思いました。そうそう。帯に「無職の俺が……」とあったので、主人公はヘタレなのかな、と思っていましたが、良い意味で裏切られました笑色んな意味で強い物語です。