第3話 新規フレンド

 声を掛けられ振り向くと、そこにはある女性がいた。

 身長は成人女性ほどだろうか。髪は赤くロングヘアである。瞳も同様に赤く、炎を思わせる。服装は体にフィットするような黒布で首から足までをかくし、首周りは白いフサフサなものが付いている。

 他にも様々な装飾がされており、華やかさも感じさせてくれる。背中には長槍が1本あり、左耳には赤い宝石の付いた耳飾りがあった。さらに、耳は尖っていて、所謂エルフ族というものであった。


「そうですけど……」

「良かったぁ。私はサクヤ=ヒノハナ。同じくプレイヤーで、神は〈炉の神ヘスティアー〉。エルフよ。よろしくね」

「俺はユルト=レインです。神は〈魔狼フェンリル〉。獣人族です」


 あの。サクヤさん。そんな目で見ないでください。今にも抱きついてモフろうとする様な視線がァァァァァァァァ


「可愛ぃぃいいい!」


 あんのじょう抱きつかれた。まぁ目の前に獣耳ショタ居たらそうなっても仕方ないだろう。俺も触りたいが、触られる側は御免だ。


「うぅ。ってかなんでプレイヤーってのがわかったんてすか?あと、いい加減離れてくださいませんかねー」

「貴方の左目と神の心よ」

「神の心?」


 確かプレイヤー情報の所に載ってたやつだ。


「その宝石よ」


 ああ、これか。

 俺で言うところの首枷に付いている宝石であり、サクヤさんで言うと耳飾りである。


「あとプレイヤーの左目には神をもしたマークがあるの。私は炎のマークがあるでしょ?貴方は狼のマークが」

「へぇ」


 意外としっかりしてるなぁこの人。モフる時は人間じゃなくて鬼だと思ってる俺が心のどこかに居る。


「私、少しはここの事知ってるからゲーム内で明日でも案内するよ。あ、知らなかったら行けないから教えとくけど、この世界は現実の7倍で進むから」


 現実の7倍つまり、リアルの1日がゲーム内で7日、つまり1週間となる訳である。


「お腹すいた時とかトイレ行きたい時とかは通知が来るからログアウトしてね。じゃ、フレ申送っとくよ」

「あ、ありがとうございます」


 コイツ意外と使えるな。

 サクヤさんとフレンドになった後、俺は屋台などを見に行った。


 屋台には色々なものがあった。食材にネックレス、おもちゃや服等が出回っていた。

 そうして俺はあるものに目が止まった。それは、仮面である。黒い狐面で、何かの力を持ってそうな感じの模様が施されている。


「あら坊や、いらっしゃい。影狐の仮面が欲しいのかい?」


 仮面を見ていると店主らしいおばさんに話しかけられた。その人は80代のような顔をしており、占い師が着てそうな服を身につけている。瞳は普通なのでプレイヤーでは無さそうだ。


「影狐?」

「あら、影狐を知らないのかい?影狐は人類が誕生する前、神と魔物の戦争時代に影の神と狐の魔物が子を産んだのさ。それで生まれたのが影狐。影狐と髪が産み落とした子、人間が子を産み、人間とは別に特別な力を持った人間を産み落とした。私たちはその人類の事を神に恵まれし子プレイヤーと読んでいるわ。プレイヤーは貴方みたいに左目に紋章があるの」

「へぇ、じゃあプレイヤーなら買ってくれると思ってコレを?」


 少しポケーっとした顔をしていたが、「ええ」と彼女は返事をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Gods Feast Online~神々の力でVRワールドを無双する~ きじとら @Noa_Werewolf

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ