第2話 翠の国と銀狼

「んぅ、、、」


 ふかふかな感触が全身に感じた。抱え込まれる様に錯覚する感覚によって俺は気が付いた。

 ここは一軒家の一室である。窓が空いており、爽やかな風が吹き抜ける。

 起き上がった俺は窓の外を見て、驚いた。


「本当に…ゲーム……なのか?」


 外には屋台が多く出回っており、風船が飛び交い、大変賑わっていた。更に雪が降り注いでおり、雪景色が広がっていた。


「すっげぇ。よし、プレイヤーもいるかもしれないし、行ってみよう!」


 窓から離れ、ベッドの向かい側にあった鏡を見る。すると……


「へ?」


 鏡に鏡に映ったのは少年だった。しかもケモ耳の生えた。

 身長は128cm程で小学6年生ですよ感のあるショタ顔は可愛らしさもある。性別は変わらず男ではあるのだが、頭には銀の狼耳があり、腰にはフサフサな尻尾がゆらゆらと揺れている。

 髪の毛は耳と同色で銀色をしていて、尻尾も同じ色をしている。瞳は薄紫で可愛さを更に引き立てている。

 服装はこれまたショタ好きなのか、ケモ耳パーカーだった。白い素材でフードがあり、フードからは自分の耳ではなく、布で出来たケモ耳がある。顔の出る所はフサフサ柄周りに着いていて暖かそうではある。いや、暖かいわ。

 首には首輪というより、首枷が着いていて、その首枷の中心、鎖の付くところには紫の宝石があった。

 ズボンはTheフツーをら貫いているが、まあケモ耳パーカーにはあっているのでよしとしよう。


ピコン。


「これは…」


 急に音がなったと思えば、ホロ画面が出現していた。

 内容はプレイヤー情報である。




ユルト=レイン

Lv1

獣人族

神の心:魔狼フェンリル

HP:1000/1000

STR:10〈×2〉

INT:10

AGI:10〈×2〉

DEX:10〈×2〉

LUC:10

スキル:【氷花】【逆鱗】

必殺スキル:【沼に住む災いフェンリル】【???】【???】




「必殺スキルってらかっこいいなぁ。あ、スキルの詳細あるわ」


【氷花】:氷を自由に作りだし、操作する。自分から半径100m以内のみ作り出せる。

【逆鱗】:対象のAGI及びDEXを-10000する。※ステータスのマイナス値は無く、0以下は全て0になる。


「あ、チートですね(笑)このゲームオワコンげーですね(笑)ってなるかぁぁぁぁぁああああああい!!強すぎて最高だわ!無双できるわ!」


 その後5分程叫び喜んだ後、俺は家〈マイホーム〉を後にする。視界内にあるミニマップから転移できるらしい。優秀。


 町は雪で覆われていた。赤い屋根は白に染まり、中世的な街並みは白一面に染まっている。

 しかしながら、大量の人が行き来しているためか、寂しさを感じさせず、逆に温かみを感じる。


「ねぇ君、もしかして、プレイヤー?」


 背中から声を掛けられたのだった。

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