Gods Feast Online~神々の力でVRワールドを無双する~

きじとら

第1話 始まりのクリスマス

 2045年12月25日の早朝の事。日本中の人々の枕元にある箱が置いてあった。箱の中にはヘルメットの様なものが入っており、箱のタイトルには〈Gods Feast Online〉と書かれていた。

 それは謎に満ちた物だった。しかし、皆が知っている物でもあったのかもしれない。一緒に置いてあった手紙にはこう書かれていた。



 新作のVRMMOに興味を持ってくれてありがとう。良ければこのフルダイブゲームをプレイしていってくれ。


宛先:雨宮 裕翔あまみや ゆうと

差出人:サンテルクデルロース=ジェンドル


 ジェンドルって部分抜いて少々文字ったらサンタクロースである。

 SNSのメールグループでは、


ゴールデン太郎『俺はやってみる』

ピーチ太郎  『僕はやめとこー、怪しいし』

3センチ法師 『やる』

紅頭巾    『あたしも』

サンダルの猫 『やらん』

輝く竹姫   『は?やるでしょ』


 勿論俺こと雨宮裕翔はプレイする。ただやりたいだけではあるのだが、好奇心は止められるものでも無い。


「よし。準備するかぁ」


 パッケージを開け、インターネットなどの設定を5分程で終わらせる。


「それじゃ。ゲームスタート」


 ヘルメット型フルダイブギアのボタンを押し、俺は仮想世界へと意識が飛んで行った。




◇ゲーム内歴 星暦1年1月1日 雨宮裕翔




 気がつけば、そこは巨大な図書館の中だった。本棚達に囲まれており、真ん中には机がある。面談用の席のように机を挟んで対面に椅子が並んでおり、自分はその内のひとつに座っていた。

 向かい側には何かがいた。椅子の上に本が積まれており、その1番上には青いジェル―――スライムが居た。


「どーもどーもいらっしゃーい」


 やる気のない様な口調ではあるが一応元気そうでもあるような声が聞こえた。


「えっと、君は?」

「ボク?ボクはプレイヤーサポートAI22号プルだよ」

「へぇ、最近のAIってすげぇな」

「まあまあだけどね〜。それじゃあまず名前を考えてね〜。苗字もだから〜」


 名前かぁ。あまり考えたことないから分かんないなぁ。少し変えてみるか。


「じゃあ、《ユルト=レイン》で」

「おーけー。それじゃあ国を選んでねー。アバターはランダムで、そのアバターに伴って神様が決まるよ〜。時々童話のキャラとかも出てくるけどね〜」


 国は机に置かれた平面地図から選べた。よくわかんないから自然豊かそうな緑に囲まれた国にした。確か名前は―――。


「センス良いねぇ。そこは翠の国〈エイメル皇国〉。亜人系の種族が多く住まう国だよ〜」


 種族も結構あるのか。すごいな。謎サンタからのプレゼントだけど。


「それじゃあ頑張ってね〜」

「ありがとう、プル」

「うん〜」


 そうして俺は神々の宴―――否、の世界〈エレメンタルジェム〉へと足を踏み入れたのである。

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