優しくなりたい
3時半、眠れずに時計を眺める。
手持ち蓋さに耐えられず、無造作にポケットに煙草とライターを突っ込む。
真夏の深夜のひんやりとした外の空気を吸い込み、ふと見上げると半分に欠けた月が出ていた。
当てもなく歩き回りながら、煙草に火をつけ肺に落とし込む。
すーっ。吸い込んだ煙、煙草の先から出る煙。月が滲んで見える。
火の熱さを指に感じ、またすーっと吸い込む。喉が熱い。
なんだかドラマに出てくるプー太郎みたいだな、なんて思いながらまた重い体をどこかへと引き摺っていく。
気付くと丁度よさそうなベンチがある。
灰皿代わりにしていた飲みかけの350mlのペットボトルに、随分とちびれた煙草を落とす。そして新しい真っ直ぐな一本に火をつけ加える。
誰も見ていない、何の音もしない。行儀悪く腰掛ける。
すーっ。ふーっ。
すーっ、ふーっ。
すーっ、すーっ、ふーっ。
吸い込むと先っぽが熱く燃える。指に火の熱さが近づいてくる。
すーふーっ。。
一体何本吸っただろうか。気付くと開けたばかりの箱は大分軽い。
かなかなかな
かなかなかな
辺りは白み始めていた。
火を消すと喉のいがらっぽさに耐え切れず自販機でお茶を買った。
くらくらする頭をなんとか持ち上げながら、家に帰りベッドに倒れこんだ。
絵日記帳 @Wayla
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