最初はホラーめいた、都市伝説をスケールアップした作品なのだろうか?と思いましたが、実はそれは細密な設定と、衒学的でもある知識、そして異形の思想が、根本にあるのです。ホラーに見えたのは、上澄みをすくっただけなのかも。読んで行けばさらに深い闇を覗くことが出来ます。
死という重たくなりがちなテーマを扱っているのに、全く湿ったところがない。カラッとした絶望がどこかコミカルにも感じられる。