1~3日目
1日目 お題:金魚
2日目 お題:努力があだになって、もっと厄介な破目におちいる状況をつくり出す
3日目 お題:墓地に運ばれる途中の棺桶の中で男が息を吹き返す
さて、突然で申し訳ありませんが1~3日目の簡易プロット等は喪失しておりますので記憶だけで語っていきます。
わたしが参考にしているアメリカ探偵作家クラブ『ミステリーの書き方』は、
序盤は、
・アイデアの見つけ方
・プロットの組み立て方
・ストーリーの構成方法
あたりについて書かれています。
そこでわたしも最初の数日は、
「ひとまず何らかのネタから短編のプロットを思いつけるようにしておこう」
「プロットさえ組んでおけばそこにプラスアルファの要素をのせて練習できる」
みたいに考えていました。
なので、上記のお題をもとに、それっぽいプロットを作っていった次第です。
ここで気に留めておくことは、
・プロットのもとになるネタはいくつか分類できる
ということです。
例えば、
1日目の金魚は具体的なアイテム、
2日目の努力があだになって、もっと厄介な破目におちいる状況をつくり出すというのは物語の流れ、
3日目の墓地に運ばれる途中の棺桶の中で男が息を吹き返すというのは具体的なシチュエーションです。
ほかにもお話を考える人は、
・キャラクターから考える
・セリフが思いつく
・トリック、設定、世界観などから広げる
などなどいろいろなネタやアイデアや思い付きからお話を作っていくと思います。
ただそれぞれに関して、
元ネタからストーリーまでの思考回路は微妙に異なっているので、
元ネタの分類に合わせてやりやすい考え方を模索しよう、
というのを一つの目標にしました。
・1日目 お題:金魚
目標:金魚からプロットを作りましょう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055192757016/episodes/1177354055192780262
上記の通り、金魚は具体的なアイテムです。
こういう場合は、金魚から連想できるものを上げていくのがいいでしょう。
金魚といえば、
金魚すくい、縁日、お祭り、縁日ってヤのつく人たちとかたまにいるよね、金魚すくいでもらったビニール袋の金魚っていつの間にか消えてるよね、金魚すくいのポイ、高級金魚、金魚養殖、金魚の種類、値段、などなど……。
短編なのでそれなりの尺で落としたい。
そこで、高級金魚と安い金魚を取り違えてしまったヤ〇〇屋さんがいろいろドンパチやるストーリーが最初に思い浮かびましたが、さすがにしんどい。
で、お祭りといえば文化祭。
ということで、文化祭での金魚すくいをめぐる戦いにシフトしました。
上級生が高級金魚でボロ儲けを狙っている、その高級金魚を奪ってやったら売り上げで勝てるんじゃないの。
というのが基本骨子。
主人公たちが上級生と闘わなければならない理由(上級生腹立つ~)や目標づくり(文化祭では出店の利益で商品が出る)、具体的にどう金魚を奪うのか(上級生の逆をやる)、あたりを書きながら肉付け。
結果的にゼロ年代美少女学園ものみたいな味になって、しょっぱななのに作品群の中ではかなり浮いた存在に……。
・2日目 お題:努力があだになって、もっと厄介な破目におちいる状況をつくり出す
上記の具体的な流れに沿ってプロットを作りましょう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055192757016/episodes/1177354055205245084
『努力があだになって、もっと厄介な破目におちいる状況をつくり出す』
というのは、コメディからサスペンスまで、幅広くみられる流れです。
わたしもこれが苦手、
というか途中でしんどくなっちゃってさっさと次に行っちゃいます。
コツとしては、
・とにかく一歩一歩怠けず考えろ
らしいんですが。
最初に思いついたのが、スパイものや殺し屋もの。
ただし殺し屋ものは一度書いたことがあるのでスパイものをチョイス。
スパイに降りかかるような危機といえば、
潜入する際のゴタゴタ、大量の敵、味方の裏切り、致命傷、
などなどがあるのでとりあえずそれらを書いていくことに。
ただここでも、ひとつひとつ書いていくのはしんどいし短編の尺に収まらないような気がして、いっそ危機の連続をダイジェストでやって、一番大事なところの精神面を描き切ろう、という方向でやったのですが……。
結果としては厳しい感じになりましたね。
文字数も、2日目だけがとびぬけて低いですし。
この課題は頭に残したまま機会があったら再チャレンジしたい……。
・3日目 お題:墓地に運ばれる途中の棺桶の中で男が息を吹き返す
上記の具体的な状況を使ってプロットを作りましょう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055192757016/episodes/1177354055218316772
正直これを見たときどうしよう、となったのですが……。
本に書いていたコツは、
・どうしてこの状況に陥ったのか
・ここからどうなるのか
・状況の中にいる人間(棺桶の男)はいったい何をしているのか
を考えること、らしいです。
そこから光明が見え、
男が何らかの理由で棺桶の中にいた死体と入れ替わる。
復活するにしても途中で復活して周囲に受け入れられるということは、棺桶の中の男ともともと入っていた死体は顔がそっくり、つまり双子。
棺桶が墓地に運ばれるのはいろんな時代いろんな国があるけれど、中世・近世あたりのフランスなら手元に資料があったのでそれでいこう。
だけど、棺桶に入っている男を主人公にしたらこの双子のトリックが使えなくなるので、この復活を目の当たりにした人間=死体の家族を主人公にしよう。
このあたりで、
・主人公の父親が死ぬ。
・埋葬する直前に父親(父親の双子の兄弟)が復活。
・復活したら話題になるよな。
・ヨーロッパなら人の復活はキリストだし、そのうち教会に目を付けられる。
・危機感を覚えた主人公が父親(父親の双子の兄弟)を問い詰める。
・そこで父親が双子の兄弟と入れ替わっていたことを知る。
・主人公、当然怒る(父の双子の兄弟を殺害? それともほかの手立て? でも殺害は芸がないかもなぁ)
あたりの筋が思いつきました。
ここからさらに、このプロットを進めるための設定付けが始まります。
・父親が死んだのに、父親の双子の兄弟が葬儀に来ないのは変。
→父親は寡黙で職人気質で、あと貧乏なので主人公も葬儀はしめやかにやりたがる。
・さらに父親と双子の兄弟を見極めるための手掛かりがいる。
→仕事中にケガした、ということにしよう。
→寡黙、というのをキャラ付けするために主人公は怪我に最初気づかなかった。
→それくらいの家族関係、あと仕事が忙しい、という設定ができる。
→さらに寡黙すぎて主人公は父に兄弟がいたことも知らない。
→貧乏だから忙しい、貧乏だから主人公もいろいろつらい思いをしたはず
・双子の兄弟が棺桶に入るタイミング。
→中世フランスは訪問販売があって、それに扮する強盗があったらしい。
・双子の兄弟が逃げてきた理由は?
→金の問題ってことにしよう。
・金にがめつかったら、復活をネタにいろいろ小銭稼ぎをするかもしれない。
→主人公の生活改善。
・生活改善した以上主人公が殺害するオチはおかしい。
→そこで本編のようなオチに。
→前述の主人公がつらい思いをしていた、を、
貧乏で夢をあきらめた、と具体化。
→双子の兄弟を使って夢をつかむ。
→だけど父と双子の兄弟は指の本数が違う。
→本編のラストシーンに
というのをザーッとまとめて、
本編のようになりました。
主人公の性別や父の職業は、手元にあった資料を参考に、
それっぽいのを選びました。
課題に困っていた割にはけっこう納得した感じに。
状況とタイトルと最後の文章がちゃんとつながったところが特に気に入っています。
プロットもそれなりに組めたのではないでしょうか。
ひとつだけ改善点があるとすれば、
双子の兄弟が父の死を知るきっかけがあるのですが、
それをもうちょっと早めに出しておいたほうが良かったかも。
このきっかけは中世フランス特有のもので、
ぽっと出だと違和感があるかもしれないので。
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