酔いどれ紳士は語る
節制を語る
紳士諸君、吾輩は思うのであります。
酒は、飲むべし!・・・と、
「酒は飲んでも飲まれるな」・・・まったく、何のたわごとかと。
酒席において酔わざるは男子たる者の恥なのですぞ!?
そう!酔うてこその酒、そして酔わばとことん最後まで!
それを
慎みなどというのは理性の所業ではありませんか。
よろしいかな諸君?
そもそも「酔う」とは、理性を眠らせ、心を解放することを言うのです。
それを「慎みを持って」ぇ?
理性が眠っとらんじゃありませんか!!
そんなものは「酔う」とは言わんのです!
「酒の席で素面であること」は恥なのですぞ!?
酔わんのならば、いったいなんのための酒か?
酒を飲みながら酔いもせんとは、酒に対する侮辱に他なりません。
だいたいですな、酒に飲まれるなとか言うような輩はですな、酒に何ぞ酔わんでもいい人間なのです。酒が無くても生きていける人間なのです。
わかりますか?
そういう輩は結婚する気もないのに婦女子に遊びでちょっかいを出す不届き者と同じなのですぞ!?
酒を愛してなぞおらんのです!!
吾輩はむしろ
愛娘を娼婦のごとく扱おうとする不埒な輩に、いったい誰が腹を立てずにおられましょうや!?
真面目に向き合え!
最後まで責任を持て!
そう思うのが当たり前ではありませんかな?
中途半端に、遊び半分に手を出すなど、実に
酒を飲み!そして飲まれる!
それこそ相思相愛というものなのであります。
酒と真摯に向き合い、己の全身全霊をかけてこそ、初めて人は「酔うた」と高らかに言う事ができるのであります。
それで潰れるのならむしろ本望。
さすがは
それを醜態だのなんだのと、まったく・・・
吾輩といたしましてはですなぁ、酒に飲まれもせんような甲斐性無しに偉そうに酒を語ってほしくなど・・・ありませんな!
紳士は語る 乙枯 @NURU_osan
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