第一話が特に良かった。すばらしいです。
短い文章でここまでとてつもなく恐ろしいものを書ける才能、センス、ここに至るまでの努力が凄まじい。それもまた恐怖である。
ホラーの美点は「怖いところ」で、難点も「怖いところ」。前者はゾッとする、日常を掻き乱し、引っくり返すような恐怖。後者は不安、喪失、後悔、絶望、負の感情を呼び起こす恐怖。第三者視点のラストシーンを纏めた本作は、難点を描かず、美点だけを凝縮している。
この発想できなかったのが悔しいです。オチが美味しいんだからひたすらオチだけ抽出するって作り方、考えてみればありだった筈なのに俺はできなかったのか……と書き手として悔しい……!そして悔しいことに面白い!想像しちゃうんですよ……この前後の経緯とか、何が蠢いているとか、そういうの!想像を掻き立てるという一点で突き抜けてくる作品でした!