第8話 終わる日々

「東京グールみたいに胸熱くなるバトルとか、ないわけ?」と、私は文句を言う。

一人称が安定しない。


なぜかといえば、直道は、私自身だから。


イマジナリーフレンド。


私は、第六感を信じない。親友の危機にかけつけてきた直道は、私の中の人格のひとつ、だ。

「ラジオに、出ていた。

 イケメン探偵、って」


親友が語る。

さみしい?いや、違う。


そもそも。

あれから、彼、は消滅した。


仕掛けを明かせばなんてことない。


下調べですべては完了していた。

要するに、顔を彼好みの顔に仕立て上げ、罠をはっただけ。

共学だからと言って、まさか男に化けた女がいるとは、って。


直道、説明が足りないって。


胸がなくて悪かったな。

そして!うちの高校には、制服がない。

この小説がラノベだったら表紙でネタバレをくらっていたに違いない。

絵がない小説って、こう言うことできるし。制服がないことでこんなトリックも使える。よかった、よかった。

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陰陽探偵、伊月直道、参る。 荒川 麻衣 @arakawamai

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