最終話 いかにも打ち切り風な最後こそがリアル

ひゅるるるるるる……


風が流れる。

血を血で洗う吐血の世界に飛び込んで、いや飛びこまざるを得なくなってどれだけの月日が経っただろう。

僕は、今コンビニとレンタルビデオショップでアルバイトをしながら生活をしている。

この動画配信の時代にレンタルビデオショップなんて消えてなくなっていくだけのカルチャーかと思いきや、レンタル層の根強い事根強い事。

恥ずかしながら吐血コーナーもあり、僕がジャケットに映ってるものも多々あり……。

ジャケットと目の前の店員の顔を見比べてキョロキョロするお客さんも少なくない。


それでも僕は、今はレンタルビデオショップの店員だし、コンビニの店員だ。


結局、日本代表としての試合で散々な結果を残してしまった僕は、やはり後遺症があるのかもしれないと現役からは引退することになったのだ。


吐血選手のセカンドライフは厳しい。

僕は(僕というか、田中血太郎、、、まあ僕なんだが)確固たる地位を持っていたので、監督やコーチの道も打診されたのだが、いかんせん僕に教えれるわけもなく。

そこは丁寧にお断りして、セカンドライフ、というか僕にとってはサードライフを静かに過ごしていくこととなった。


吐血が人気の世界線なので、ある程度どこにいってもチヤホヤされる。

居心地が悪い時もあるけど、ものすごくリスペクトされているので、絡まれたりはしないしそれなりに楽しんで生きてる。


でもふとした時思うんだ。

ケホっと咳き込んだときに、血が混じってたら。


僕はもう少しやれたのか?


それとも、これシンプルに病気で吐血してるのか?


わっかんねえなって。


ね。

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全国吐血王選手権 発電キノコ @ods029

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