赤色銀河系女子高生


「…なにこれ」


「…銀河系女子高生」


「ふーん」


「………」


「髪の部分が銀河なんだね。でも銀河って赤いんだっけ?」


「そういうのもある」


「ふーん」


「………」


「うんうん、いいね。

 広大な宇宙を背景に、真ん中は白くてだんだん赤くなっていくのが爆発寸前って感じでとても綺麗だ」


「ありがと」


「それに、満足そうな表情もいい」


「…後ろ姿しか描いてないけど」


「君のさ」


「………」


「楽しく描けたんじゃないの?」


「…楽しく描けたことなんて一度もない」


「そう?」


「いつだってあんたが描けって言うから描いてるの」


「そう」


「………」


「へへへ、」


「なによ」


「いや別に?

 …じゃあもう僕は行くよ」


「…早いのね」


「絵ができたんだからね。僕も一緒に行かなくては」


「………」


「髪が白くて、少し赤い、この子と一緒にね」


「ふん、とっとと行っちゃえ」


「へへへ、また来るよ」


「………」


「油断するなよ。僕は何度でも来る」


「………」


「君が生きている限りはね」


「…何度でも来なさい。何時来たって、何処にいたって、私は描いてやる」


「………」


「生きてる限り、あんたのことを何回だって、何枚だって描いてやるから」


「…うん、期待してるよ

 せいぜいその目、曇らすなよ。絵描き…」


「………」


「心の中に『僕』死にたいを飼う、女子高生よ」


「………」










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絵描きと、心の中に「死にたい」を飼う女子高生 きつね月 @ywrkywrk

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