第2話 生きる為にはプライドなんて必要ない

 城を追い出された僕はそのまま王都をフラフラと歩いていた。

 突然の事だったので頭が理解出来ずボーッとしていた。

「これからどうしようか······」

 まずはこれからの事を考えないといけない。

 生活の基盤をしっかりさせてから冷静に考えよう。

「お金も無いから······、まずは稼がないといけないよね、手っ取り早く稼ぐには冒険者になるのが早いか」

 王族は世の中の情勢にも敏感でなくてはならない。

 当然だけど冒険者に関する話も僕の耳には届いていた。

『どこそこのダンジョンを攻略した』とか『強大なモンスターを倒した』とか。

 特に国に被害をもたらすような事案でそれを解決した冒険者は国として褒章を与える時もあり式典にも参加した事がある。

 つまり上手く行けば一攫千金も夢ではない、と言う事だ。

 でも、それも冒険者として実力があればの話。

「まずは冒険者ギルドに行ってみよう」

 その足で僕は冒険者ギルドへ向かい、その場で冒険者登録をした。

 流石に王族名は名乗れないのでケビンで登録した。

 登録して初めて知ったんだけど初心者には色々サービスがついてくる。

 僕みたいに一文無しで宿に泊まれない人にはギルド所有の施設で暫く寝泊まりする事が出来る。

 中には『登録だけ』して冒険者として活動はしてない人もいるらしいけど、実績が最低限無いと強制的に追い出されるらしい。

 とりあえず住居は確保出来たので一安心だ。

 

   

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元王太子の庶民ライフ ~意外と快適だったので王族には戻りません~ こうじ @hirasaku37

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