第1話 あっという間に転落しました。

 僕がなんで王太子から庶民になってしまったのか。

 一言で言えば『嵌められた』としか言い様が無い。

 話は数年前に遡る。

 ある日、僕は婚約者に呼び出されてとある部屋にやって来た。

ドアをノックして入ると隅の方でガタガタ震えている物が見えた。

 ゆっくりと近づくとそれは服がボロボロになっていた女性だった。

 驚いた僕は女性に声をかけようとした。

 が、声をかける前に女性は僕を見るなり悲鳴をあげたのだ。

 慌てた僕は女性を落ち着かせようとした。

 そこへ兵士達が入って来た。

 ボロボロの服を来た女性を抑えようとしている僕。

 ······他人から見ればどう写るかお分かりですよね。

 その場で僕は兵士達に取り押さえられましたよ。

 そこから僕の転落は始まった。

 牢屋に入れられた僕は取り調べを受けた。

 勿論、何もやってないし無実を主張した。

 しかし、僕の意見は通らなかった。

 それどころか、女性が『無理矢理部屋に連れ込まれて襲われた』と言いはなったのだ。

 待て待て待て、なんでそんな事をしなきゃならんのか、ちゃんと調べればわかる事だろう。

 それでも、僕は無実は証明されるはずだと思っていた。

 牢屋には一週間ぐらい入れられ出て漸く両親に会う事が出来た。

 が、そこで言われたのは王族及び王位継承権の剥奪だった。

 この時点でこれは仕組まれた事だ、と気づいた。

 僕は周りの評価がよく『時期国王』と呼ばれていた。

 それをよく思わない輩が今回の事を仕組んだんだろう。

 こうして僕はお城を追い出され庶民になった。

 

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