エピローグ
また夜が
ボクの前には、ちょっと
――どうしてギンが生きているのかって?
簡単なことさ。
それは、ボクたちがぬいぐるみだから。そして、水にぬれてぐちゃぐちゃになっても、
あのあと、びしょぬれのぬいぐるみを見つけたレオナちゃんのママさんが、必死に「ドライヤー」という熱い風の出る道具を使ってギンの体を乾かし、ギンを助けてくれたのである。
「ちょっとアンタ、生き返ったからって調子に乗るんじゃないわよ!」
どなりつけるミミに、すぐさまあっかんべえを返すギン。
「困ったものだ……。さっき、仲直りをさせたばかりだというのに」
ソファーに
そう――実は、人間の
「こりないぬいぐるみたちッスね」
「まあ、ケンカするほど仲がいい、とも言うけどな」
「まさか!?」
「あっはっは」
ボクと先輩は、顔を見合わせて笑った。
ふと部屋の奥を見ると、レオナちゃんが
「あっちは、ほんと気の長い遊びッスね」
ボクがそう言うと、先輩はうれしそうに顔をほころばせた。
「まあ、世の中平和ということだ。それはそうと……コーハイ、昨日できなかったレオナちゃんの部屋の
「それはいいッスね。ならば、れっつら、ごぉッス!」
ボクと先輩は、レオナちゃんの部屋に向かって走り出した。
そう――ボクたちぬいぐるみの時間は、まだ始まったばかりなのだ。
ぬいぐるみ犬探偵 リーバーの冒険 鈴木りん/カドカワ読書タイム/カクヨム運営公式 @kakuyomu_official
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