リーバー先輩の推理④
「ふう……。アンタ、思ったよりやるわね。ワタシの負けだわ。そう、ギンはワタシが
ついに、犯ぬいぐるみが
「ミミ……。どうして、こんなことをしたんだ?」
先輩の落ち着いた声が、マンションのリビングに響いた。
すると、穏やかだったミミの目つきがみるみると
さすがは古参ぬいぐるみの
思わずボクが後ずさってしまうほどだった。
「アイツ――あの青いペンギンが、にんじんをバカにしたのよ。事もあろうに、ウサギのソウルフード、そしてワタシの大好物である赤いにんじんをねッ!」
先輩が、これ以上ミミの
「……で、ギンは何と言ったんだ?」
「今考えても、恐ろしいわ……。『にんじんなんて、ただの草だし、味も苦いし、食べ物じゃない』なんて言ったのよ。アンタたち、信じられる?」
「……」
(どちらかといえば、ギンの意見に
表情から察するに、ボクをはじめミミ以外のぬいぐるみは皆、そう思ったらしかった。
だが、とてもそのことを口にするほどの勇気があるぬいぐるみなど、ここにはいない。
「ま、まあ、わかった。ギンにも落ち度はあったんだな、多分……。だがな、ミミ」
「――それでも、ギンを
「ええ……それはわかってるわ」
先輩の言葉に、ミミが
それを見た一同の
「ただ、今日はもう時間切れだ。もうすぐ夜が明ける。レオナちゃんのママさんが起き出してくる時間だし、あとのことは明日考えるとしよう」
「そうね。そうしましょう」
メメが、先輩の意見に同意した。
他のぬいぐるみにも、反対意見はないようだ。
「これは、急いだ方がよさそうッスね」
部屋の中がもうずいぶんと明るくなっている。人間の言う
とりあえずボクたちは、
それから数分が
目覚まし時計の音がして、
「ふああああ」
いわば、ボクたちの〝昼間〟が終わりを告げる声である。
ところが今日は、ここからがいつもと違っていた。なぜなら、次にママさんの
「きゃああ! どうしてペンギンのぬいぐるみがこんなところに落ちてるの? それにずぶぬれだし! どうして?」
てんやわんやとなった、レオナちゃんたち家族。
ボクたちは、体を動かさずにじっとしているのが大変だった。
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