エヤミグサの便箋

　漆原柚子には気がかりなクラスメイトがいた。遠野瞳――通称・死神。『心中の生き残り』と噂される彼女に、クラスメイトたちは冷たく接する。
　その発端となったのは、寒川かなたの死だった。瞳の親友で――おそらく、恋人だった人。果たして瞳は本当にかなたと心中しようとしたのか？　いじめに近いクラスメイトから瞳への対応に、思わず彼女をかばう柚子。
「好きなんて感情は自己満足でしかない、だから友達でいい。私はエゴのまま、遠野さんを助けたい」
　瞳と無事に分かり合え、クラスメイトから隠れて大切な時間を重ねる二人。しかし、些細なミスがきっかけで、二人はまた離れ離れになってしまう。
「へぇ、アンタ次はあの子を殺すんだ」

　一人になり、かなたに対して抱けなかった恋心を自覚するが、それと向き合うことを恐れる瞳。
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