真っ白な病室から、真っ白な村へ。肺を病んだ彼の日常は、何処に行ってもカラフルさに欠けていた。一方の彼女もまた、ふわふわと定まらない。哀しみに浮いている。そんな世界を変えるのは恋。色恋だ。故に、とても甘酸っぱい。甘酸っぱいお話でした、御馳走様でした。さて、情けないことに、最初タイトルが読めなかった。『ていしょく』だ。発色ないしは変色を伴う化学反応のことを『呈色反応』と云う。あとは言わなくていいよね?
心の触れ合いが丁寧に描写されていて、読んでいてほっこりします。狐から連想される言葉遊びにも唸りました。そして、クライマックスの感動まで、ちゃんと気持ちを積んでいるのでぐっと心が動きました!