第二章 コミュ力 Lv.2
46配信目 【#魔王様の雑談】今夜も色々適当に!【キラキライブ/ニーナ・ナナウルム】
「我ってばもう向かうところ敵なしじゃと思う」
:何の話?
:唐突にどうした?
:さっきまでの味噌汁の話題どこにいった?
:ん?
:何が?
:味噌汁のこと?
:?
おっといかんいかん。
盛り上がりに盛り上がっていた味噌汁の話題をほっぽり出してつい唐突に喋ってしまった。
ちなみに我は味噌汁には豆腐を入れない派閥なんじゃが、豆腐を入れる派の勢いが凄くてコメント欄も結構盛り上がっていた。
というか今日まで全然気にして生きてこなかったけど、普通のご家庭では味噌汁に豆腐って入れるものなの? もしかして我って少数派?マイノリティ? いや、言い換えれば孤高の存在か…… くくく…悪くない。悪くないか?
……っと。そういう話は一旦置いておいて話を戻すと、我、マジでもう敵なしなんじゃと思うんじゃよね。
「いや我さ、今日の雑談でも散々言ってきたのじゃけど、コミュ障だいぶ治ったと思うんじゃよ」
:それはそう
:確かに初期から見たら見違える
:大人になったな
:だいぶ喋れるよね
:確かに
:通話ならもうだいぶ喋れるよね
:だいぶキョドらなくなった
:人権あるくらいには喋れてる
「『通話ならもうだいぶ喋れるよね』って言うとる者がおるように、我、通話でならだいぶいけるんじゃよね。
ほら、つい3日前にもレイとリリィと3人で通話しながら一緒にゲームしたんじゃよ。で、我は思ったね。もう我はコミュ障ではない、コミュ
我の唯一の弱点であるコミュ障が治ったということは、我は最強完全体になったというわけじゃ」
:ゲーム一緒にできたのは同期だからでは?
:言い過ぎで草
:強い言葉を使うと弱く見えるよ
:過信は禁物
:蛮勇は勇気とは違う
:オフコラボした唯一のライバー達だからじゃん?
:同期ですらやっとだからなぁ…
散々な言われようじゃ。ひどい。
まあでもある程度言われるのも仕方のないことじゃ。なにせニーナ・ナナウルムとしてデビューしてから今までの間にコミュ障を晒しまくってたんじゃからな。うんうん。臣下の皆がそう思うのも無理からぬ事じゃ。
しかし臣下の皆は知らない。
我がもともと大勢の魔族を引き連れて人間と戦っていた本物の魔王じゃと。
我は自分のことじゃからよーーく分かる。前世がそういうコミュ力レベルマックスなところにいたわけじゃから、ある程度の訓練があればコミュ障からの脱却なんて容易いと。
つまり何が言いたいかと言えば、キラキラフェスティバルという一大イベントを完璧に乗り切った今の我はコミュ
「ふふふ……」
:まあでもそれなりには成長したよね
:同期との打ち合わせに参加しなかったのが懐かしい
:キラキラフェスティバルもちゃんと成功させたしな
:イベントもよかったよ!
:レベル1くらいは上がったかな
:BARキラキライブ出来たし、まぁ…
「『BARキラキライブ出来たし』ってコメントあるけどそうなんじゃよ。
我、見知らぬ人とお話できてるんじゃよ? なんか人生相談みたいなこともしたし、世間話的なこともしたしの。
で、じゃ。
我、そろそろ他の色々なライバー達とのコラボを積極的にしても良い段階な気がするんじゃよね。ほら、今まではマトモにコラボ配信したのって同期のリリィとレイしかいないし」
:蛮勇はやめろ
:俺たちも色んな人とのコラボ見たいけど…
:大丈夫かなぁ
:がんばれ!
:当たって砕けろっていうしね!(玉砕する未来)
:過信は禁物とはこのこと
:がんばれ!(無理やろなぁ…)
:いけるで工藤!
:じゃあ手始めにノゾミちゃんと対面コラボしよか
あれ…… おかしいのぅ。
我が他のライバーとコラボを積極的にしようと言えば、コメント欄がものすごい勢いで『やめておけ』『もうちょと慎重に』『無理そう』という言葉達で埋め尽くされている。
まったく。臣下の皆は心配性じゃな。
案ずることはなにもないのにのぅ。
まあたしかに、臣下の皆は我が前世で魔王をやっていたということは分かるわけないしの。我が魔族軍の皆の前で演説をしていたことや人間軍との戦いで最前線で指揮をとっていたことなんて知る由もないじゃろう。
皆の心配はありがたい限りじゃが、我にはそういった経験値があるのじゃ。失敗する要素などどこにもない。皆無じゃ。
一時的にコミュ障になってしまっていただけで、我ってば元は陽キャじゃし。
ふふふ……
昔の感覚が戻ってきたわけじゃ……
これが全能感。
どんなことをやっても、何をやっても成功する気しかしてこない。
そう、我の辞書に『失敗』の二文字は載っていないのじゃ。
あるのはただ『成功』のみ。
「ふふふ……」
この試みが成功すればもう1人で寂しくゲームをする必要はないのじゃ。
レーペックスレジェンズもパーティを組んでボイスチャットしながら連携取って…… ふふふ…… これで晴れて陽キャの仲間入り……
「案ずるな皆のもの…… キラキラフェスティバルを成功させた我に不可能という言葉はもはやありえない。
善は急げと先人は言った。
さあ、さっそくライバー専用の連絡アプリで突発コラボをしてくれそうな人を探すのじゃ! フフフ…… フハハッハハ! ハハ……ゲホッゲホッ…… む、むせた…」
:先が思いやられる
:魔王様がそう仰るなら……
:頑張って欲しいけど心配
:同期のどちらかは誘ったほうが良いんじゃないか?
:誰とコラボするんや…
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