第4話

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寒い。私は目を開いた、眠っていたのでしょうか。伏したまま様子を伺うと、あたりは薄暗く近くにはなにかがゆらゆらと動いている。

「んん…」

私は小さく呻く。

「あ、目覚めたァ?」

甘ったるい声で誰かが私に話しかけてきた。ぼやける頭を振り目をこらすと、ゆらゆらと動いていたものは人影で、そのうちの一人が私に話しかけてきたということを理解した。すると、他の人影も私の様子に気がついたらしく、私に注目が集まったように感じた。


体を起こし、目を擦り、人影を確認していく。私の他に6人ここにいるということが分かった。私を含め、円卓を囲んで座っている。

すると、私の左隣の席に座っていた人影が話しかけてきたのです。

「目を覚ましたか。」

「あの…混乱しているのですが、これはどういった状況なのでしょうか。」

「俺にもさっぱりだ、なんの事やら見当もつかないな。目を覚ますとここに座っていた。」

「はぁ…そうですか」

その様子を見ていた右隣の人影もこちらに話しかけてきた。

「ねぇねぇ、これって意味わかンないよねぇ。あたしも気がついたらこんな所にいたんだ…ホントなんなの」

その女性は私を覗き込むようにして、やや威圧気味にそう言っていた。先程の甘ったるい声は恐らく彼女でしょう。私は反対側に目を逸らしコクリと頷き同意した。他の人も部屋が暗くて表情は見ることは出来ないけれど、動揺や不安は伝わってくる。


しばらくして、徐々に照明が明るくなり座っていた人や全体の様子などを見ることが出来た。すると、円卓の上に1枚の手紙が置いてあることに気がつく。なんだろう…。皆も気がついたのでしょうが、手には取らない。私は椅子から立ち、手を伸ばして手紙を取り封を開いた。内容に目を見開き驚愕の表情を浮かべた、私の異変に気がついたのか左隣の男が手紙を覗き込む。

「なんだ…これは…」

みるみるうちに男が青ざめる、皆がこちらに視線を向けた。手紙にはこう書かれていた。





この中に1人『殺人鬼』がいます、皆様にはその殺人鬼を見つけて殺していただきます。


1.夜21時までに皆様には話し合いで1人『殺人鬼』であろう人物を選んで殺していただきます。


2.夜23時に各自の個室の部屋が閉まります、その時間以降部屋の外には殺人鬼しか部屋の出入りをすることができません。


3.そして『殺人鬼』のほかに、犯行を止めることが出来る『守護者』、殺人鬼であるか見ることの出来る『観測者』もこの中に1人ずついます。守護者と観測者に選ばれた方は21時から23時の間に誰を守るか、誰を観測するかを個室内のパネルにて選んでください。


4.役職の書かれた手紙はそれぞれの個室に置いてあります、ご確認ください。


5.夜21時までに殺す人が決まらなかった、殺人鬼が夜のうちに殺さなかった(守護者が守る以外)、あるいは、役職の書かれた手紙を人に見せた場合、皆様のブレスレットが作動して毒が注入されます。つまり全員死ぬのです。


6.殺人鬼を無事に見つけだし、皆様で殺した時には門を解錠し脱出することが出来ます。


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