第3話

夢中になってオムライスを頬張りコーヒーを啜る、ふと気がつくとあっという間に両方とも腹の中に消えていた。絶妙に美味しくまた食べに来ようと心の中でそう誓っていた。

私が食べ終えたタイミングで、何やらアンティークな装丁の本を1冊彼女は持ってきた。どうやらそれ本が、この店が提供するゲームらしい。


「失礼致します。」

彼女はそう言うと空いた食器を厨房へ下げ、またこちらへ来ると、おもむろに向かい側の椅子に腰掛けた。そして、テーブルの上にその本を静かに置きこう続けた。

「お待たせ致しました、こちらが本日のメインとなるゲームです。メニューに書いてあるとおり、お客様にはWho done itのみ推理して導き出していただきます。よろしいですか?」

「はい」

私は頷いた。彼女は懐のポケットから小さな花の書いてある、白い小さなメッセージカードとボールペンを私に差し出した。

「もし、誰が行ったのか分かりましたらこちらのメッセージカードにご記入ください。答え合わせを致します。」

「答え合わせですか…健闘してみます。」

「ありがとうございます。」

彼女は微笑む。

「また不明な点があればお声かけ頂けたら嬉しいです。それでは、ごゆっくりどうぞ。」

そう告げると彼女は立ち上がり、厨房の方に消えていった。


その姿を確認すると、私は本の角を指でなぞってから、少しばかりの緊張を手に本を開くのだった。時刻はちょうど深夜0時を過ぎるところだった、体は疲れているはずだが、疲れよりも私の好奇心が勝っているようだ。店内の古い時計の秒針がカチコチと時を刻む音が響いている。私の心臓もその音と同化していくのだった。

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