私、6月に商業出版して作家デビューするんですよ。
でもね、これを読んでしまうと……
デビュー直前にこんな心折れるようなものを読ませないでくださいよ……
そりゃわかってますよ。本を1冊出したからって「パンパカパーン! 小説家になれました」なんて、そんな順風満帆にいかないことは。
でも、わかっていても……
小説を書いているダメな人たちが、ダメをこじらせておかしくなっていく話です。男も、女も、ひきこもりも、オタクも、サブカルも、プロデビューした人ですら、幸せになれず、小説を書くことで世の中に爪痕を残そうとあがいて、自分自身を傷つけていく。
こんな醜悪なものは見たくない。
でも読んでしまう。
WEBで小説を書く、という事をまっすぐ見据えた小説です。
なんというダイビングなのか、腐汁とか膿とかの中に潜っていくような感じがありますね。
私も小説を書くので、この小説に出てくるような人達とも知り合っています。その身近さで心がヒリヒリしましたね。
そして、とても痛い結末ですが、それでも彼らは書く事をやめないのですな。
純文学? サスペンス? ホラー?
いえいえ、これはWEB小説なのです。
雑多でごみごみとして、不快で、それでいて騒がしい。
地の底のような場所なのですが、なにか在る。
綺麗な物、でもない、綺麗でなくても透き通った何かを、みな追い求め。あがき、暴れ、傷つき。
そして、また書いて行くのでしょう。
素晴らしい作品をありがとうございました。