第3話 別れ(完結)

私は、思わず自分の立場も忘れて飛び出していた。

そのとき…

ピンポーン!

玄関のチャイムが鳴って、ユウマくんが転がるように急いでドアを開ける。

「…あ、まだ、片付いてないんだけど…」

しどろもどろなユウマくんを押し退けて、

「大丈夫、手伝うよ」

部屋に入ってきたのは、ユウマくんより年下の…ああ、この人、見たことある…

そう言えば、ユウマくんが会社の人たちと撮影した写真をスマホで眺めていたことがあった。

今年の春に、ユウマくんの会社に入ってきた新入生のユウカちゃんだ…

思い返していると、

「きゃーーーっ!!!ゴキブリぃいいい!!」

ユウカちゃんは突然叫び、私に殺虫剤を噴射した。

そう…、

大好物のダニやコバエに興奮してユウマくんの前に飛び出したばっかりに、私の恋は、こうして終わりを告げたのだった…

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純愛 夏川夏実 @natu-natu

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