第2話 第二夜 『月夜の明かり』

「井戸の底」において

意識が朦朧とする中で

下半身がしびれ

もはや感覚が鈍くなっていた


しかし絶望と思われた

その状況の中で突然

眩いばかりの月夜の光が

照らされると

両瞼の視野が一気に

開かれていった


「美しい・・

何て見事な月夜の光なのだろう・・」


これまで何度も見たことがある

光景であるのに

まるで異次元に迷い込んできたような

幻想的な世界の出現に

ひどく感動を覚えていた


自然界の神秘が

全ての心の闇を

覆ってくれているように感じていた


「素晴らしい・・・」


「素晴らしい・・・」


「素晴らしい

この世界は何と

素晴らしい世界なのだ!


もしや神がおられるのか!」

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