対戦ありがとうございました。

あいつからの要件は昼飯を一緒に、ということだった。


(別にいいけど…)


そう考えてあることに思い至った俺。


(あぁ。学食一人だと恥ずかしいのか)


可愛いところもあるもんだな。しょうがないから付き合ってやろう


携帯を開いて、いいぞ。と返信をする。


それとほぼ同時にチャイムが鳴ったので、慌てて携帯をしまい、授業に必要なものを机の上に出す。


携帯はしばらく振動していたが授業中にいじれるほどの悪でもないし、そこまで精神図太くないので無視をした。



キーンコーンカーンコーン。


授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室には緊張感のある空気からだらっとした空気に切り替わる。さすがの切り替えの早さ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。


授業の始まりに来ていた通知を確認するためにポケットから携帯を取り出す。


LINE 08:46 メッセージを受信しました。

美佐希「やったー!ありがとう!」

LINE 08:46 メッセージを受信しました。

美佐希「じゃあ4時間目終わったらすぐにクラスに迎えに来てね!」

LINE 08:47 メッセージを受信しました。

美佐希「『美佐希お嬢様。お迎えに上がりました!』って言いながら!」

LINE 08:47 メッセージを受信しました。

美佐希「あれ?聞いてる?」

LINE 08:47 メッセージを受信しました。

美佐希「おーい!」

LINE 08:47 メッセージを受信しました。

美佐希「碧惟ー!」

LINE 08:48 メッセージを受信しました。

美佐希「返信来ないならおごらせるからねー!」


etc etc....


画面を見た瞬間に眩暈がした。ついでに背筋がゾワァとする感覚も。


いくらなんでもお嬢様って、高校生にもなってるのにいつまで子供なのか。


「……ん?」


どこからか視線を感じ、あたりを見渡してみるが、特に違和感は覚えない。


騒いでいるクラスメイト、本を読んでいるクラスメイト、携帯をいじるクラスメイト・・・。などなど、変な様子はない。


(気のせいか…。)


感じた視線のことなど忘れ、2、3、4時間目を過ごしていった。



授業が終わり、急ぎ足で1年6組に美佐希を迎えに行く。


6組の前につき、一度ばれない程度に深呼吸をする。


知らない人のクラスに入るからって緊張してるわけじゃないんだからねっ!?


…ふう。ばれないようにそそっと入ってばれないように連れ出すか。


そう考え、後ろのドアから中を眺め、美佐希の位置を確認して、そそくさと入室する。


あとは、静かに連れ出すだけ・・・。計画通り。


「あ!碧惟じゃん!はやくはやく!」


計画は崩れ落ちた。対戦ありがとうございました。


一瞬にして6組の人からの視線が突き刺さる。いてぇ。やめろこっちを見るな。


そんな状況に顔を赤くしながら、多分耳とか首まで赤くしながら、何とか美佐希を連れ出す。


「なんでそんな赤くなってんの?」


お前のせいだよ!と教室の前で怒鳴れるわけもなく、へとへとになった体で学食を目指した。



ー――――――――――――――――――――

あとがき

はじめまして、影月です! 最初はつまらないと思いますが読んでくださりありがとうございます! ラストは決まっているのですがどうそこまでもっていこうか悩んでいますw。 このシリーズを最後まで見てくれるとうれしいです!

それでは次回で会いましょう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの瞳が、あいつが、あの日が溢れている 影月ジス @Kage_Jis

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ