第59話 中堅ハンター・ブロムス②

ハリッサとブロムス達、4人の中堅ハンターとの模擬戦が始まろうとしていた。


「それでは模擬戦を開始して下さい!」


ブロムス達は中堅ハンターだけあって前衛の剣士であるブロムス、盾役、弓兵、魔法使いの無難なパーティー構成だ。


対してハリッサは大剣を使う剣士。


「ガガリ!ハリー! 遠距離攻撃を食らわして生意気なガキに、俺達に挑んだことを後悔させてやれ!」


「「おう!」」


まあ、普通はそう言う対応になるよね……


ブロムスの合図で弓兵と魔法使いはハリッサめがけて同時に攻撃してきた。


弓兵は連写により四本の矢を撃ち、魔法使いは火の玉をハリッサめがけて撃ちだしていた。


しかし、ハリッサは大剣こそ持っているが構えてすらいなかった。


「ハリッサさん危ない!?」


ガキンッ!

ガキンッ!

ボフッ……

ガキンッ!

ガキンッ!


「「はっ?」」


ハリッサに攻撃が当たる直前、矢は弾かれ火の玉は霧散してしまったのを見て、ブロムス達や受付のお姉さん、観客達全ての者が何が起きたのかよく分かっていなかった。


「おじさん達の本気ってこんなもの?」


「クソっ、さっきといい何なんだ、このガキは……」

「ブロムス……あのガキ、もしかして物理無効や魔法無効といった高レアリティの魔法具を複数装備しているんじゃないか?」


「バカな! 高レアリティの魔法具だと!? あれは使用回数上限があるのに超高額で取り引きされているんだぞ?」


「しかし、そうじゃなくてはなにもしていないのに俺達の魔法や矢が防がれるなんて考えられないぞ! 俺の魔法は狼ですら一撃で倒せるレベルの威力なんだぞ」


「確かにそうだな……おい! 模擬戦に高レアリティな魔法具を持ち込むなんて卑怯だぞ!」


「……まだ実力差が分からないの?」


「装備も実力ってことか? クソッ、ただのガキかと思ったら金持ちのガキが遊び半分で冒険者ギルドに来たパターンか……」


何かブロムス達はもの凄く都合の良い勘違いをしだしていた……


「私はこのアカリお姉ちゃんが作ってくれた大剣しか持ってないよ」


「そんなことを言っても騙されねぇぞ!」


それにしても物理無効や魔法無効なんて魔法具が本当に存在しているのか?


もしそんなものが本当に存在していたらゲームバランスが崩壊してしまいそうなレベルのチートアイテムだな。


それよりも今はブロムス達のことを何とかしないとな……


多分、このままブロムス達を倒してしまうとハリッサはチートアイテムで勝っただけの成金少女と噂されてしまうかもしれない。


まあ、ハリッサ本人は成金少女と言われてもなんとも思わないかもしれない。


僕はどうしたら良いのかなと悩む……


そんな中、観客からブロムス達に話しかける女の声が聞こえてきた。


「おいおいブロムス、もしかしてそんな女の子に負けてしまうのか?」


僕は声をかけてきた女の方を見る、そこには褐色肌にボサボサの赤い髪、獰猛な目をした怖そうな女性が立っていた。


「ガ、ガネーシャの姉貴……戻られてたんですか?」


ブロムスは女性を見るなり顔が一気に青ざめていくのが分かった。


そんなに怖い人なのか?


「そんなことはどうでもいい。私が聞いているのは……負けているのか?ってことだよ。どうなんだい?」

 

「そ、それはっ!?」


「もし、負けることがあったら……私は元指導員としてブロムス達を鍛え直さなくちゃいけないね」


「で、ですがこのガキは高レアリティの魔法具を使ってまして!」


「高レアリティの魔法具? そんなことは関係ないんだよ! 戦いを挑んだら相手が何をしてきても勝つんだよ!」


「くっ……」


「ブロムス、ガネーシャの姉貴はマジだぞ。どうする」

「お、おれはこの歳で姉貴の指導を受けたら死んじまう……」

「おい、ブロムス。俺達もあの魔法具で応戦するしかないんじゃないか!?」


ブロムスの仲間達はガネーシャの指導というものが相当怖いのか、もの凄く必死だった。


「俺達が持っているあの魔法具はリスクが……」


「そんなこと言ってる場合じゃねえだろ!」


「くそっ、どうなっても知らねえぞ! 現れろ幻想獣!」


ブロムスは腰に付いたカバンからアクセサリーみたいなものを取り出し、アクセサリーを握りしめながら叫ぶ。


あれが魔法具?


何の魔法具か分からないが、アクセサリーから禍々しい魔力を感じるぞ……


「ちょっと、ブロムスさん! それって召喚具じゃないですか! 闘技場でなんてものを発動しているんですか!」


「仕方ねえだろ! 高レアリティに対抗するには制御不能な幻想獣を召喚するしかねえんだから!」


「えっ、ブロムスさん……今、制御不能な幻想獣って……言いました?」


「ああ、俺の力じゃあ高レベルの幻想獣なんか制御出来ねえからな……だが、こうやってガキの近くに投げれば俺達より先にガキが犠牲になってくれる!」


「あああっ!?」


ブロムスはハリッサの足元に例のアクセサリーを投げ、地面に落ちると同時に禍々しい黒い渦がアクセサリーから溢れ出てきた。



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魔剣のアカリ フェアリーP @wz754732011

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