第29話 穏やかな生活。異世界転生。
「みんなっ!!どうしてっ!?」「ヤッツー。お前、ここに1人で残るつもりだったんだろ!?」「だって、みんなはもう現実の世界で暮らして行けるじゃないか!!」「言ったでしょ!?あたし達は仲間よって。」「メルト…。」「この街で、この仲間で暮らすのが1番の幸せだよね!!」「アリティ…。」「ヤッツーさん。」
ユキナさんが俺の手を取り、こう言った。
「あなただけ置いて、みんなは幸せになろうだなんて思ったりしません。」「ユキナさん。」「ヤッツーさんはこの世界でとても頑張ってくれました。あなたは勇者です。」「お、俺が勇者!?」みんながユキナさんの言葉に頷く。
でも、ばあさんの願いが…
「ユキナさん、おばあさんの事はいいんですか?」「祖母もきっと分かってくれるはずです。」「でもっ…!!」すると、ヒュリが突然話を割って入って来た。
(ユキナのおばーちゃんは、間も無くこの世界に転生してくるよー!!闇の使い手としてねー!!)
「え!?ばーさんが!?」「どうして祖母が!?」
(ユキナが現実の世界に戻らないって分かって、決めたみたい!!ユキナ、良かったね!!)
「あのばーさん、苦手なんだよなぁ…。」「大丈夫です!今度は私がいますから!悪口とか言ったら説教します!!」
(じゃぁ、これで第2部の闘いが終わるよー!!明日から第3部っ!!みんなで気合い入れ直して頑張るよー!!)
「ヤッツーさん。」「は、はい!?」
「私達は仲間。この街で穏やかに暮らして行きましょう。」
人間、生きていれば様々な出来事が起きる。
『喜怒哀楽』。この4つが均等だとは思わない。
怒り、哀しみが圧倒的に勝るだろう。それでも、俺達は現実の世界で生きて来た。何度も立ち上がり、踏みにじられ、また立ち上がり…。
人生、頑張る日々は疲れる。頑張らない事と大事だと俺達は学んだ。
「眩しい光…誰か来る!!」「…よいこらしょと。」「おばあちゃん!!」「おぉ…ユキナよ!!」
『これが正解』などない。
自分が生きる道、歩く道が幸せならばそれでいい。
「ばーさん、名前は!?」「ヒュリじゃ。」「え?」「ヒュリちゃん!?」「うっそーー!!」「マジかよ…。」「やっぱり。おばあちゃん、闇の魔法で全部覗いていたのねっ!?」
こんな結末だってある。
それでもゲラゲラと笑い合える関係が仲間だと俺は信じている。
アラサー34歳。童貞。俺は勇者に転生した。
これからは、仲間と共に楽しく暮らしていこう。
この、ショーシャンクの街で…。
完。
色々面倒異世界転移。アラサー童貞リストラ寸前男の生き様ぁぁ!! 結芽 @niziiro-yume
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