怪盗フラワー・シーフからの予告状を受け、宝石を守るために立ち上がった探偵。 この物語を読み進めていくと、小説のタイトルにもある『密かに』という言葉を噛み締めることができます。
ですます調で展開される名探偵と怪盗との対決物語であるため、江戸川乱歩的な、芝居的な雰囲気がある。見慣れた骨組みではあるが、しっかりと独立した肉付けがなされていて、わくわくしながら続きを読める。王道をまっすぐ行くかのような完成度を誇り、上記のように馴染みやすさも巧みに作用しているので、児童文学としても優れている。細かな言葉やタイトルも回収されていて、満足度の高い読後感がある。
宝石泥棒として世間を騒がせている大怪盗・フラワーシープ。次のお目当ては奇術師の邸宅から「赤い瞳の涙」を盗み出すという予告状がきた。名探偵の赤羽根瑠衣斗(あかばねるいと)が事件に乗り出し、厳重警備を張っていたのだが、宝石は盗まれてしまい…!?最後はどんでん返しが待っています!これぞミステリーな小説なので読んでみてください!!