雪女の秘密知ってる?

妖と言われて皆さんはどんな生き物を想像しますか。
河童、猫又、土蜘蛛、昔から伝承されてきた数多の妖の伝説が日本には数多存在します。
会ったことがあるという人は少数でしょうが、実は彼らはひっそりと日本の現代社会に溶け込んで今も暮らしていると知ったら驚きますか?

千冬ちゃんはおばあちゃんを雪女にもつ、雪女のクウォーターです。雪女の力を受け継いでしまったためその力のコントロールに苦心し、以前の学校を転校して新しい学校へ移ってきたというところから物語が始まります。
雪女ですから、やっぱり体が冷たかったり、髪が白かったり、生まれつきの能力がたくさんあります。それを隠しながらのお友達作り。大好きな人が出来てもそれを隠さなければならない彼女の苦労。

日常生活で起こる問題がとてもリアルで、読みながら「ああ、もう! 何て意地悪なんだ!」「うう、千冬ちゃん可哀想」と感情を揺り動かされました。
無月さんの描かれる女の子ってとにかく純真で可愛いのです。作品の大きな魅力ではないでしょうか。
学校生活で起こる問題は千冬ちゃんが雪女であるから生じた問題でしょうが、そういうことは現実でも実際に起こり得るのではないかなと想像します。心の機微を丁寧に描いた作品でしてリアルな学生生活と彼女の抱える悩み、芽生えてゆく恋心、等身大の飾らない彼女が魅力的に描かれた作品です。
雪女も恋をするし悩むんです。

まだ物語は途中です。行方を一緒に追いましょう!

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