仲間が全員人じゃない件について

　仲間を、栄光を、地位の全てを捨て落ちぶれた冒険者であるアルバは、幾度となく昔の仲間にパーティーに戻る事を迫られるもそれらを一蹴し続けた。
　他に夢がある訳でもない。パーティーメンバーとの仲も、元はと言えば良好であった。
　単に彼がパーティーを抜けた理由は、自身の仲間が『悪魔』と呼ばれる怪物の類であり、彼女達と共に居れば自分も人々の迫害の対象になりかねないと言う保身から来るもので、かと言って彼女達の正体を他人に打ち明ける事も彼の良心が邪魔をするという悪循環に苛まれる中、あの手この手で嘗ての仲間達はアルバを誘惑してくる。

　『吸血鬼』の職業魔術師に『ネクロマンサー』の僧侶。更には『剣士』のウェアウルフを筆頭に、奴隷商人から逃げて来たという元奴隷の少女も何処かきな臭く――。
　人としての誇りを…続きを読む