Rosso

日が昇る頃、私はようやく眠りにつく。


夜は寂しくて辛くて薬なんか効きやしないから。


騒がしく人々が動き出して、私はようやく安堵する。


一人ではなかったと確認する。


車の音、人々の喧騒、動物の鳴き声、何とも分からない耳に届く音。


それら全てが子守唄のようで、うとうとと布団に潜り込む。


いつかは許されない朝の惰眠は、幸せには程遠いけれど。


きっと夜の私よりは幸せだろう。


私は一人で生きているわけじゃないんだと目を閉じる。


少し眠ったら朝ごはんを食べよう。


生きるために。

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Rosso @Rosso58

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